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マイコプラズマ肺炎について

[2024.09.29]

 国立感染症研究所の2024年第37週(9/9-15)速報データによると、マイコプラズマ肺炎の定点報告数(登録1医療機関から報告された患者さんの数)は1.41と、前の週から約15%増加しました。感染拡大は西日本が中心ですが、都道府県別では埼玉県が1位になっています。一方、発症年齢別分布では、0~19歳が全体の9割を占めており、現時点では主に小児の感染症とも言えます。しかし、定点報告はマイコプラズマ肺炎に限られ、健康成人であれば、クリニックで風邪と診断され、自然に改善する患者さんも多いと考えらます。

 成人のマイコプラズマ感染では、初期に発熱、全身倦怠感、頭痛などの症状がみられますが、これらの症状は一般的な風邪と区別はつきません。また、胸部の聴診でも、(特に初期には)一般的な肺炎で聞かれるような雑音が聴取されない場合も多いとされています。そのため、症状や診察のみで、マイコプラズマ感染症(肺炎)と診断することは難しいです。一方、マイコプラズマ感染症の特徴として、通常の風邪と異なり、激しい咳が2~3週間続く場合があります。

 ツノクリでは、風邪症状をきっかけに、激しい咳が1~2週間程度続き、5日間程度の(鎮咳薬など)治療で改善がみられない場合には、改めて受診することをお勧めしています。その際、マイコプラズマ感染症が疑われれば、重症化予防にマイコプラズマに有効な抗生物質を処方します。成人でのマイコプラズマ感染症は、重症化して肺炎をきたす場合もありますが、多くは自然軽快します。現在のようなマイコプラズマ感染症の流行期間中は、手洗いやマスクをするなどの感染予防に努めましょう。

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