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紅麹関連商品の健康被害について

[2024.04.07]

健康被害を及ぼした原因物質と紅麹関連製品について

 紅麹は、従来から広く着色料などとして使用されており、基本的には、少量の摂取では健康被害をきたすような物質ではありません。
 そのため、今回の健康被害の原因物質は、紅麹に含まれる成分ではなく、小林製薬における紅麹関連製品の製造過程で、想定しない成分が混入した可能性が高いと考えられます。厚生労働省は、健康被害を及ぼした被疑成分として「プベルル酸」を挙げていますが、あくまで可能性の1つとして提示したに過ぎず、現時点では原因成分は確定していません。
 2024年4月現在、健康被害を及ぼした紅麹関連製品は、小林製薬の3製品(下記参照)に限られます。それ以外の紅麴関連製品を摂取していても、過度に心配する必要はありません
 ・紅麹コレステヘルプ
  通信販売用45錠/15日分、90錠/30日分、店頭販売用60錠/20日分
 ・ナイシヘルプ+コレステロール
  地区限定品(石川県、富山県、福井県)
 ・ナットウキナーゼ さらさら粒GOLD
  地区限定品(広島県、山口県)

健康被害の詳細と臨床経過について

 小林製薬の紅麴関連3製品(紅麹コレステヘルプ)による健康被害のほとんどは腎臓機能障害です。腎臓は、血液中のいろいろな物質の濃度を調整したり、血液中の老廃物を排泄して尿を作ったりする働きがあります。
2024年4月に、日本腎臓病学会から、紅麹コレステヘルプ摂取後に腎臓機能障害をきたした方々の特徴が公開されました。
 年 齢: 30~79歳(約9割が40~69歳)
 発症時期: 約4割 使用1年以上(使用1か月以内での発症報告あり)
 臨床症状: 半数以上で全身倦怠感や食思不振、尿検査異常、腎機能障害

血液検査(中央値)
 ・低カリウム血症(正常値3.5~5.0): 3.3mEq/L (約65%が3.5 mEq/L未満)
 ・低リン血症(正常値3.5~5.0): 2.0mg/dL (約60%が2.5 mg/dL未満)
 ・低尿酸血症(正常値2.0~7.0): 1.8mg/dL (約60%が2.0 mg/dL未満)
 ・クレアチニン高値(正常値1.0未満): 2.3mg/dL
 ・推算糸球体濾過量(正常値60以上): 17.8mL/min/1.73m2
 ・重炭酸低値(正常値22.0~26.0): 16.0mmol/L(約65%が18.0 mmol/L未満)
尿検査(中央値)
 ・尿蛋白増加: 2.3g/gCre
 ・尿糖陽性(約87%が3+以上)

臨床経過

 約25%がステロイド治療により、また約75%が紅麴コレステヘルプ中止により、多くの方々の腎臓機能障害が改善しつつあるようです。まだ十分な期間の観察を行っていないことから、紅麴コレステヘルプ摂取前の状態まで改善するかについては、はっきりしていません。また、腎臓機能障害の改善兆候がみられない方々もいるようです。臨床経過や治療法については、今後の報告を待つ必要があります。
 また、入院や死亡について大々的に報道されていますが、現時点で、血液透析(人工腎臓による血液ろ過)療法が必要だったのは2名のみです。死亡した1名は、元からの腎臓病の経時的な変化に矛盾しないことから、担当医からは「紅麴コレステヘルプとの関連性は低い」と報告されています。もう1名は、すでに血液透析療法から離脱しています。過度な不安をあおるような報道には注意が必要です。

 ツノクリでは、紅麹関連商品による健康被害についての精密検査や関連性の証明などはできません。一方、ツノクリを含む、多くのクリニックで、血液検査でのカリウム、リン、尿酸、クレアチニン(推算糸球体濾過量)値の測定、また尿試験法で蛋白と糖の定性検査をすることができます。これらの血液検査と尿検査を行うことにより、紅麹コレステヘルプによって生じる腎臓機能障害のほとんどを除外できると考えます。
 そのため、紅麴コレステヘルプ等を摂取し、ご自身の健康被害(腎臓機能障害)をご心配される方は、かかりつけの先生にご相談することをお勧めします。ツノクリでも、紅麴コレステヘルプを摂取された方々の不安が、少しでも軽減されることを願っております。

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