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当院の強み

ツノクリは循環器病と生活習慣病の診療に自信があります

 大学病院と地域の中核医療機関の循環器内科医として、20年間以上、頼りになる同僚と一緒に第一線で多くの入院と外来の患者さんを診療してきました。なかでも、一部の医療機関でしか行われていない心臓リハビリテーションのチームの一員として、循環器病を持つ患者さんが、大病をわずらわず、かつ充実した生活を送れるよう取り組んできました。地域の循環器病の患者さんが、地域の中核医療機関と同じような診療ができるように心がけています。
 さらに、大学院を含む大学病院と米国留学では、主に、食事と栄養(特に脂質)が、循環器病の患者さんに与える影響について研究をしてきました。それらの研究から、毎日の食事が血糖値や脂質(コレステロールや中性脂肪)値などを大きく変動させることを知りました。糖尿病や脂質異常症を持つ患者さんの食事についても大きな関心を持ちながら、情報を共有できればと思っています。

得意な診療分野

健康な人にとっての好ましい食事

はじめに
食事は、生きるすべであり、楽しみでもあります。私たちは、ほんの100年前までは食べられることだけでも幸せでしたが、今はお金さえ払えば、好きな時に、好きなものを、好きなだけ食べられる時代になりました。つまり、皆さんは、自分のエネルギーになり体の材料にもなる食事を、いつ、どこで、どのように取るかを自由に決めることができます。一方で、自分が選んだ食事によって、体格が決まったり、病気になったりするのであれば、食事の選び方ははとても大切であるとも言えます。

私は、昭和大学の海外研究生として、米国農務省とタフツ大学が共同で運営する加齢ヒト栄養研究センター(Jean Mayer USDA Human Nutrition Research Center On Aging, Boston, USA)に2年間にわたり滞在し、食事がヒトの体に与える良い影響と悪い影響について研究してきました。帰国後には、日常診療の中で、留学中に研究した「病気になりにくい食事と病気と上手に付き合うための食事」についての知識を、患者さんと分かち合いながら、皆さんに一人一人にとって望ましい食事について考えてきました。

ツノクリでは、皆さんにとって、「病気になりにくい食事」と「病気と上手に付き合うための食事」について考えています。健康にとって理想的な食事は、皆さんにとっての理想的な食事とは必ずしも一緒ではありません。ただ、ツノクリでは、できるだけ元気で充実した生活を送りながら、長生きすることができるような食事を心がけることをお勧めしています。ただ、そのために、毎日、我慢しながら食事をとるのではなく、頑張れる範囲で楽しみながら食事をとることが大切だと思っています。

健康的な食事

Q1.「健康的な食事」とは何ですか?

健康な人にとって、病気になりにくい食事のことです。

食事は、皆さんの健康に大きな影響を与えますが、一人一人、食べる時、食べるもの、食べる量が異なるので、実験や研究によって答えを出すのはとても難しいことが分かっています。ただ、国や地域では、長生きする人の割合が高い国や低い国があるのは確かです。そこで、長生きする人の割合が高い国で、一般的に食べられている食事が「健康的な食事」に近いにちがいないという考え方に基づいています。もちろん、わが国も長生きする人の割合の多い国の一つですから、日本食(→Q)は「健康的な食事」の要素を多く含んでいると考えられています。一方で、西欧では、毎日の食事として日本食を受け入れることが難しいため、一般的には、長生きの人の割合が高い国であるスペインの料理(地中海食)が広く受け入れられており、地中海食の研究も盛んに行われています。

ツノクリでは、「健康的な食事」が、必ずしも、皆さんにとって望ましい食事とは考えてはいません。皆さんの食事スタイルに合わせて、少しでも「健康的な食事」に近づけるように応援します。そのため、ツノクリでは、「健康的な食事」を、「病気になりにくい食事」もしくは「病気と上手に付き合うための食事」と呼んでいます。

病気になりにくい食事

Q2.「病気になりにくい食事」とは何ですか?

健康な人にとって、なるべく病気にならないために心掛ける食事のことです。それには、ツノクリがお勧めする次の5つのコツがあります。

  1. ①腹八分目を心がけましょう
    • 昔から「腹八分に医者要らず」ということわざがあります。昔の人たちも、お腹いっぱい食べる人が病気になりやすいことを、経験的に知っていたのだと思います。科学的にも、食事を減らした人には、病気が起こりにくくなることが知られています。
  2. ②朝食、昼食、夕食を規則正しくとりましょう
    • 毎日、できるだけ、同じ時間に、同じ程度の食事を食べましょう。午後3時前後におやつ(→Q3)をとることは決して悪いことではありませんが、食べ過ぎに注意しましょう。寝る前2時間以内の食事は、太りやすいという理由から、お勧めしていません。
  3. ③野菜とタンパク質を多くとりましょう
    • 野菜(じゃがいも、サツマイモ、トウモロコシなどは含みません)は、食物繊維を多く含み、腸での吸収に時間がかかることから、血糖値が急に上がることを防ぐことができます。もちろん、ビタミンやカリウムなどの体に必要な微量な要素も同時に取ることができます。
      一方で、タンパク質は体の材料となる大切な栄養素です。動物では魚(種類や部位は問いません)、鶏のムネ肉、大豆(豆腐、納豆など)を多くとりましょう。
  4. ④野菜からゆっくりと食べましょう
    • 腹8分目のコツとして、野菜からゆっくり食べることをお勧めしています。③で書いたように、野菜には血糖値を急に上がることを防ぐことができ、かつ満腹感を高めることができます。お腹がいっぱいになった感覚が、脳に伝わるまでは時間がかかります。急いで食べると、腹8分目に気が付くころには、腹八分目を超えてしまっているのです。野菜からゆっくり食べることを心がけましょう。
  5. ⑤塩分を控えましょう
    • 日本は海産物に恵まれ、昔からそれらを多く食べてきました。そのため、日本人の一日の塩分摂取量は、諸外国と比べても多く、望ましいとされる塩分量(6g/日)の1.5倍以上(平均約10から11g)取っています。塩分は、体にとって大切ですが、一般的な日本人であれば、控えすぎることはなかなかありません。特に、塩分が多く含まれる麺類や汁物、加工肉食品(ハムやソーセージなど)は、なるべく取らないなどの工夫をしてみましょう。

Q3. おやつを食べてはいけませんか?

いいえ、健康な人にとって、おやつをとることは決して悪いことではありません。

ただし、いわゆるお菓子(甘いもなど)は、急に血糖値を上昇させるため、食べすぎると糖尿病になりやすくなることが知られています。甘いものは、多くても週に2回程度にしましょう。ツノクリでお勧めしているおやつは、①果物 ②カカオ分が多いチョコレート ③ナッツ類 ④プレーンヨーグルトです。ただし、果物の摂取は、急激に血糖値を上昇させるため、食べる量はほどほどにしましょう。

Q4. 食べたほうが良い食べ物はありますか?

はい、あります。
健康な人が、食べたほうが良いと食べ物として、

  • 野菜(特に葉物(ほうれん草、キャベツなど)、トマト、大根、カブなど)
  • 果物(特にブドウ、リンゴなど)
  • 豆類(特に大豆(豆腐、納豆)、インゲン豆など)
  • 魚類(種類や部位は問いません)

などがあります。ただし、「病気になりにくい食事」(→Q2)に準じて食べましょう

Q5.避けたほうが良い食べ物はありますか?

はい、あります。
健康な人が、避けたほうが良いと食べ物として、

  • 白い主食(白米、白いパン、うどん、ラーメンなど)
  • 加工肉食品(ハム、ベーコン、ソーセージなど)
  • ジュース(野菜ジュース、100%ジュースを含む)
  • 揚げた炭水化物(フライドポテト、ポテトチップスなど)

などがあります。

Q6.食事はどの程度の量が望ましいですか?

健康な人にとって、望ましい食事の量は、身長と体を動かす程度によって決まります。

まずは、自分の適正体重を知ることから始めましょう。日本人の適正体重は、病気にかかりにくいとされる体格指数(BMI→Q7)の目安が22であることに基づいて、
適正体重 = 身長(m)× 身長(m)× 22  で求められます。

おおよそ、150cmで50kg、160cmで56kg、170cmで64kg、180cmで71kgです。参考までに、適正な一日当たりの食事量(摂取カロリー)の目安を示します。

 

○ 適正な一日当たりの食事量(摂取カロリー)の目安

 

150cm

160cm

170cm

180cm

ほとんど座っている

1,400kcal

1,500kcal

1,700kcal

2,000kcal

仕事や家事などをしている

1,600kcal

1,750kcal

2,000kcal

2,300kcal

仕事で肉体労働をしている

1,800kcal

2,000kcal

2,300kcal

2,600kcal

単位:Kcal

Q7.BMIとは何ですか?

BMIは体格指数(Body Mass Index)の略で、体重と身長から計算されます。

BMI(体格指数)= 体重(kg)÷(身長(m)× 身長(m))

病気になりにくいとされるBMIが22の体重を適正体重(→Q6)として、BMIが 18.5から25までを標準型としています。男性の約65%、女性の約70%の体格は、標準型にあてはまります。日本では、男性には太っている人、女性には痩せている人が多い特徴があります。
ツノクリでも、75歳までの健康な人であれば、BMI が20から25までが望ましいと考えています。太っていても健康な人はいっぱいいますが、長い目で見ると、腰や膝が痛くなってくる人の割合が増えてきます。76歳を超えた健康な人であれば、BMIが30を超えなければ、強く減量を勧めたりすることはありません。ただし、足腰が悪いようであれば、ゆっくりと減量して、標準型になることを目指すようにお勧めしています。

Q8.同じ食事量、同じ運動量でも、人によって太ったり痩せたりしますか?

もちろん、痩せたり太ったりは人によって違います。

太ったり痩せたりすることは、必ずしも、食事の量とは関係していません。その人の生まれつきの体質や年齢や環境などによっても大きく変わります。ただ、太りやすい体質であることと、太っても良いこととは別問題です。太りやすいようであれば、普通の人より太らないように気を遣う必要があるとも言えます。

第一版 2021年07月01日

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