メニュー

帯状疱疹予防接種のさらなるススメ

[2025.06.12]

 ツノクリでは、帯状疱疹(たいじょうほうしん)にかかる人を少しでも減らすため、50歳以上の方に帯状疱疹ワクチンの接種をお勧めしています。なかでも、無料もしくは費用助成を受けることができる方々は、本年度中に予防接種を受けることを前向きに検討してほしいと思っています。

 最近、テレビ番組で帯状疱疹ワクチンの認知症予防効果についての放送があり、ツノクリを受診された複数の患者さんから「水痘・帯状疱疹ワクチンと認知症予防効果」について質問を受けました。そのため、現時点での、水痘生ワクチン(乾燥弱毒生ワクチン)、また不活化ワクチン(シングリックス)接種の認知症予防効果についてお知らせします。

水痘生ワクチン(乾燥弱毒生ワクチン)による認知症予防効果について

 2025年4月科学雑誌Natureに、水痘生ワクチン(ゾスタバックス)接種による認知症予防効果が報告されました。この研究では、2013年にウェールズで導入された水痘生ワクチン(ゾスタバックス)接種プログラムを利用し、わずかに年齢の異なる、ワクチン接種者と非接種者を比較して検討されました。その結果、プログラム開始後のワクチン接種者では、ワクチン非接種者と比べ、7年間に認知症と診断される割合が3.5%低下(相対低下率20.0%)しており、特に女性で有効であったことが報告されました(A natural experiment on the effect of herpes zoster vaccination on dementia)。
 また、同グループから、オーストラリアでの水痘生ワクチン接種についても同様の報告を行い、7.4年間で認知症と診断される確率がワクチン接種者では1.8%低下したとの報告がありました(Herpes Zoster Vaccination and Dementia Occurrence)。

帯状疱疹ワクチン(シングリックス)による認知症予防効果について

 2024年10月に、英国で生ワクチン(ゾスタバックス)接種者と不活化ワクチン(シングリックス)接種者で、6年間にわたり認知症と診断された割合を比べたところ、不活化ワクチン接種者で、生ワクチン接種者よりも認知症発症可能性が17%低いことが分かりました(The recombinant shingles vaccine is associated with lower risk of dementia)。

水痘・帯状疱疹ワクチンと認知症予防効果

 水痘生ワクチンや遺伝子組み換えワクチンが、どのように認知症を予防するのかはよく分かっていませんが、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化を予防したり、免疫機能を再活性化することによって、脳内の炎症を抑えているのではないかと考えられているようです。

 なお、帯状疱疹予防接種をご希望される方は、事前にお電話03-5672-0810でのご予約をお願いしています。

 帯状疱疹についてさらに知りたい方は、下記をご参照ください。

 帯状疱疹.jp

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME