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禁煙外来

はじめに
タバコは、吸う本人だけでなく、周りの人たちの健康をそこねることがあります。タバコは、日本国内で起きる火災の主な原因の一つであり、毎年、値段も上がっています。そのため、タバコを吸っている人の3人に1人が禁煙したいと思っているようですが、実際に禁煙することは、とても難しいことが知られています。禁煙が難しい理由の一つは、タバコの主成分であるニコチンの中毒症です。

日本では、タバコは趣味の一つとされていたこともありますが、今では、一種の中毒症と考えられるようになってきました。タバコを吸う皆さんも、禁煙したいというしっかりした気持ちがあれば、医療保険を利用して治療することができることがあります。

ツノクリでは、皆さんが、できるかぎり長い間、元気で充実した生活を送ることが大切だと思っています。それには、皆さんだけでなく、周りの人たちの健康にも気を配る必要がありますし、自宅や家財道具を火事で失わないことも、そしてお金を節約することも大切です。そのため、ツノクリでは、タバコを吸う皆さんに禁煙を強く勧めています。なかでも大切なのは、タバコを止めたいという気持ちです。禁煙に「遅すぎ」はありませんし、一度の挑戦で禁煙できる人も多くはいません。そのため、いつからでも、何回でも挑戦して下さい。ツノクリも、皆さんの禁煙をできる限り応援します。

ただ、禁煙に成功した皆さんにお話を聞くと、タバコをやめても、なぜかお金は増えないようです。これから禁煙に挑戦する人の中から、禁煙してお金が増えました、という報告があることを期待しています。

ツノクリでの禁煙外来の流れ

※ あくまで一般的な流れになりますので、状況により変わることがあります

電話予約から初診まで

ツノクリへ電話して、「禁煙治療について相談したい」と伝えてください。その後、「名前」「年齢」「電話番号」を伝えて、希望する初診日の予約を取ってください。自分の禁煙外来が、(健康)保険診療の給付対象になるかを受診前(→Q7)に確認することをお勧めします。

初診時

初診時に持ってきてもらうもの
①健康保険証 ②健康診断結果票 ③お薬手帳(もしくはお薬) ④お金
  1. 1.受付で禁煙外来を受診したことを伝え、上記の①から③を提出してください
  2. 2.待合で問診票と調査票「ニコチン依存度テスト」(→Q9)を記入して提出してください
  3. 3.受付で禁煙外来が(健康)保険診療の給付対象になるか、問診と調査票で確認します

    ※(健康)保険診療の給付対象外であれば、自由(自費)診療でかかるお金を聞いて、それでもで禁煙治療を行うか相談してください(→Q7、10

  4. 4.吐く息に含まれる一酸化炭素の濃度を看護師と測定してください
  5. 5.禁煙外来の治療スケジュールや治療にかかるお金を医師と確認してください(→Q11、15)
  6. 6.治療希望の有無と禁煙補助薬について医師と相談してください
  7. 7.禁煙外来の治療希望があれば「禁煙宣言書」にサインしてください
  8. 8.禁煙を続けるためのアドバイスを医師から聞いてください
  9. 9.吐く息に含まれる一酸化炭素の濃度を看護師と測定してください
  10. 10.禁煙補助薬の処方箋を受け取り、2週間後の外来予約を取って、お金を支払ってください(処方箋を薬局に持参してお薬をもらってください)
    1. 貼り薬: ニコチネルTTS(一般名:ニコチン)(→Q11、12)1~4週間 30mg、4、5週間 20mg、6、7週間 10mg
    2. 飲み薬: チャンピックス(一般名:バレニクリン)(→Q11、12)1〜3日 0.5mg 1日1回、 4〜7日 0.5mg 1日2回、8日以降 1mg 1日2回
    3. ※ バレニクリンを飲んでいる患者さんが交通事故を起こしたという副作用報告があったことから、お薬を飲む12週間の間は自動車運転ができなくなります。バレニクリンを希望する患者さんは、治療開始時に「運転禁止書」にもサインが必要です。

再診時

初診とは別に2週、4週、8週、12週目の合計4回の診察が必要です

  1. 1.受付で禁煙外来に来たことを伝えてください
  2. 2.診察室で喫煙(禁煙)の状況とお薬の副作用を医師と確認してください
  3. 3.吐く息に含まれる一酸化炭素の濃度を看護師と測定してください
  4. 4.禁煙を続けるためのアドバイスを医師から聞いてください
  5. 11.受付で使用中の禁煙補助薬の処方箋を受け取り、次回の禁煙外来を予約して、お金を支払ってください(お薬は薬局でもらいます)
  6. ※ 2~8週後の再診は、Web診察でも代用することができますが、その場合には、吐く息に含まれる一酸化炭素の濃度を測定できないので省略します

Q1.禁煙外来は(健康)保険診療の対象になりますか?

はい、ただし、患者さんによっては自由(自費)診療の場合があります。

(健康)保険診療の対象となる基準(→Q7)を満たさず、それでも禁煙治療を行いたい患者さんは、自由(自費)診療でも治療を受けることができます。合計5回の診察を含む12週間の禁煙プログラムが禁煙外来の基本になります。
ツノクリでは、まず、患者さんの禁煙治療が保険診療の対象となるかを確認し、保険診療の対象外であれば自由(自費)診療でも治療を行うかを確認します。そのうえで、禁煙外来について説明をし、皆さんに治療の希望があるかを確認します。治療すると決めれば、通常、当日に処方箋をお渡しし、薬局でお薬をもらうことができます。

タバコの害について

Q2.タバコをやめるとなぜイライラするのですか?

ニコチンの中毒によって、嬉しさに鈍感になってしまうからです。

皆さんの脳の中では、幸せなことがあると嬉しさが生まれます。これは、脳内のホルモンなどの影響によるものですが、ニコチンには、嬉しさを感じるホルモンなどを脳内で一時的に増やす作用があるため、タバコを吸うことで嬉しさを引き起こすことができるようになります。ところが、タバコのニコチンによる刺激が、普通(中毒)の状態になると、普通の人が感じるはずの嬉しさに鈍感になってきます。すると今度は、ニコチンが足りなくなると、嬉しくないという誤解に襲われ、イライラすることになるのです。

Q3.タバコはいつでも簡単にやめられますか?

いいえ、やめるのはとても難しいことが分かっています。

タバコに含まれるニコチンは、麻薬の一種であるコカインよりも依存度が高いとされ、中止することの難しさはコカインと同程度とされています。そのため、タバコをやめることはかなり難しいと考えたほうが良さそうです。実際、欧米の調査では、禁煙を決意した人たちの中で、6か月以上の禁煙に成功する人は10人に1人しかいません。タバコを吸う人の多くは、やめようと思えば、すぐにでもタバコを止められると考えているようですが、それほど簡単ではないようです。

Q4.軽いタバコは、重いタバコと比べて体に良いですか?

いいえ、ほとんど変わりません。

欧米の調査で、タバコを吸う人が肺がんで亡くなる人の割合は、タバコを吸わない人の約20倍とされています。そして、その割合はタバコのタール量ではほとんど変わらないことも分かっています。しかし、一方で、すごくタールが多いタバコを吸った場合には、肺がんで亡くなる人の割合は約30倍になります。

ツノクリでは、自分の健康のために、なるべくタバコの害を減らしたいという皆さんの気持ちは応援しますが、軽いタバコに変更することを強く勧めてはいません。頑張って、タバコそのものをやめましょう。

Q5.タバコに含まれるニコチンやタールが少なければ大丈夫ですか?

いいえ、タバコには200種類以上の有毒物質が含まれています。

タバコにはカドミウムやヒ素など、200種類以上の有害物質が含まれています。例えば、カドミウムは、かつてイタイイタイ病という日本の4大公害の原因になった重金属で、わずかな量でも腎臓に障害を来し、発がん性も高いことが知られています。ヒ素は、殺鼠剤や農薬として使われ、わずかな量でも中毒を引き起こし、少量で死に至ります。このように、タバコの有害物質は、皆さんが知っているニコチンやタールだけではありません。

Q6.加熱式(電子)タバコは、紙タバコと比べて体に悪くないですか?

いいえ、ほとんど変わりません。

加熱式タバコ(アイコス、グロー、プルームテックなど)は、新しい種類のタバコのため、脳卒中や心臓病や癌などの病気との関連は今のところはっきりとはわかっていません。ただ、タバコに含まれる有害物質に関しては、一般の紙タバコと同様もしくはそれ以上のため、健康に与える影響はあまり変わらないと考えられています。ただし、火傷をしてしまったり火事を起こしてしまったりしませんし、周りの人の健康に害を与えないという意味では、紙タバコより優れているとも考えられます。

〇 電子タバコが含む有害物質の量について

Chem. Res. Toxicol. 2018;31:585–593

禁煙外来について

Q7.禁煙外来は、全て(健康)保険診療の対象になりますか?

いいえ、次の4項目の全て満たす患者さんのみが保険診療の給付対象となります。

  1. ①1日のタバコの本数と吸っている年数を掛けた数が200以上であること
    タバコ10本10年間吸っている患者さん 10×10=100:保険適応
    例2)タバコ10本を10年間吸っている患者さん10本×10年 = 100:保険適応外
  2. ②すぐに禁煙するつもりであること
  3. ③調査票「ニコチン依存度テスト」(→Q10)でニコチン依存症と診断されること
  4. ④12週間にわたる禁煙プログラムへの参加を書面で同意すること
    ※ 過去に(健康)保険診療の対象で禁煙治療された患者さんが、改めて(健康)保険診療の対象で禁煙治療を希望する場合には、1年以上の期間を開けることが必要になります。

Q8.加熱式タバコでも(健康)保険診療の対象になりますか?

はい、加熱式タバコも紙タバコと同様の基準(→Q7)を満たせば、保険診療の対象として治療ができます。吸っている加熱式タバコ(アイコス、グロー、プルームテック)の種類によらず、保険診療の対象として治療ができます。

Q9. ニコチン依存度テストとはどんなテストですか?

精神医学的な立場からニコチンの依存症を判定する簡単な筆記テストです。

以下の10個の質問に、「はい」もしくは「いいえ」で回答し、5つ以上「はい」があれば「ニコチン依存症」と判定されます。

  1. ①自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
  2. ②禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
  3. ③禁煙や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
  4. ④禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか?イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加
  5. ⑤④でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
  6. ⑥重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
  7. ⑦タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
  8. ⑧タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
  9. ⑨自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
  10. ⑩タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?

Q10. 禁煙外来は、自由診療でも受けることができますか?

はい、自由(自費)診療でも受けることができます。

Q7の(健康)保険診療の給付対象となる基準を満たさず、それでも禁煙外来で治療したい患者さんは、自由(自費)診療でも治療を受けることができます。
ツノクリでは、次のように値段を決めています。他のクリニックでの値段設定なども参考にしてみて下さい。

初診料

¥4,470(税込)

2回目再診料

¥4,010(税込)

3、4回目再診料

¥4,490(税込)/回

5回目再診料

¥3,110(税込)

お薬(それぞれの薬局が値段を設定しています)

 

・ニコチン(調剤料などを含む)

¥25,000 ~ 30,000/7週間分

・バレナクリン(調剤料などを含む)

¥40,000 ~ 50,000/12週間分

Q11.2種類の禁煙補助薬に違いはありますか?

はい、あります。貼り薬のニコチネルTTSと飲み薬のチャンピックスがあります。

ニコチネルTTSの成分はニコチンなので、タバコの代わりとして利用して、ニコチネルTTS(ニコチン)の量を徐々に減らして、禁煙する方法です。成分はニコチンですから、貼り薬を使用する日から禁煙を開始しなければなりません
チャンピックス(一般名:バレニクリン)はニコチンを含んでいませんが、体の中でニコチンと似た作用をします。そのため、頭の中だけはタバコを吸っているような感覚になります。頭の中のニコチンの作用を、1週間かけてバレニクリンに置き換え、頭の中ではタバコを吸っているような感覚を保ちながら禁煙する方法です。頭の中ではタバコを吸っているように勘違いさせるため、お薬を飲み始めて8日目で禁煙を開始します。

Q12. 2種類の禁煙補助薬の禁煙効果は一緒ですか?

いいえ、バレナクリンのほうが良く効くとされています。

欧米での研究から、バレナクリンを内服した患者さんが、お薬を内服しない患者さと比べて、禁煙に成功した人の割合が3倍(ニコチネルTTSは2倍)になったことが分かっています。
ツノクリでは、できる限り、皆さんに禁煙に成功して欲しいと考えているため、禁煙成功率が高いバレナクリンを使うことをお勧めしています。ただし、治療中には自動車の運転ができなくなりますので、自動車を運転する必要がある患者さんには使うことができません。それに加えて、副作用(一番多いのは吐き気)が出た場合には、お薬を中止することもあります。

Q13.禁煙治療でどのくらいの人が禁煙できますか?

一般的に、禁煙に成功するのは4人に1人です。

最近(2018年)の我が国の調査では、12週間の禁煙プログラムを最後まで完了できる人が3人に1人(プログラム参加患者さん全体の34.6%)とされ、そのうち7割程度の人(プログラム参加患者さん全体の23.7%)が禁煙に成功すると報告されています。

ツノクリでは、まず12週間の禁煙プログラムを完了することが大切だと思っています。そのため、せっかく禁煙プログラムに決心して参加した人には、2回目以降の合計4回の外来に受診してもらいたいです。過去の報告から考えると、自分一人で禁煙できる人は10人に1人もいません。是非、禁煙外来を有効に使って禁煙に成功しましょう。

Q14.どんな人が禁煙治療を受けるのですか?

タバコを吸っている全ての人が治療を受けます。

最近(2018年)の我が国の調査で、禁煙プログラムに参加した人の内訳は、以下の通りでした。年齢や性別に関わらず、広く禁煙治療を行っていることが分かります。

  • 年 齢:34歳以下:16%、35~64歳:64%、65歳以上:20%
  • 性 別:男性:67%、女性:31%(無回答3%)
  • 平均喫煙本数:22.8本/日
  • 平均喫煙継続年数:27.5年

Q15.禁煙外来(12週間禁煙プログラム)には、どのくらいのお金がかかりますか?

(健康)保険診療の給付対象であれば(3割負担で)おおよそ2万円ぐらい、自由(自費)診療でおおよそ6万円です。

タバコを1日20本吸えば、かかるお金が500円/日(2021年7月現在)として、禁煙プログラム中の12週間(84日間)で合計4万2千円になります。タバコは皆さんの健康をそこねるだけでなく、周りの人たちに病気を引き起こすこともあります。

ツノクリでは、皆さんと皆さんの周りの人が、できるかぎり長い間、元気で充実した生活を送ることが大切だと思っています。そのため、(健康)保険診療でも自由(自費)診療でも、愛煙家の皆様には禁煙治療をお勧めします。

Q16.禁煙治療中にタバコを吸ってしまったのですが大丈夫でしょうか?

はい、(医学的には)大丈夫です。

もちろん、禁煙治療中ですからタバコを吸ってはいけません。ただ、禁煙外来中にタバコを吸ったからと言って、体に特別な害が起きたり、禁煙外来に参加できなくなったりするわけではありません。

ところで、チャンピックス(バレニクリン)による禁煙外来中にタバコを吸ってみると、幸せな気分や嬉しさを、以前ほど感じなくなってしまっているのではないでしょうか。実は、チャンピックス(バレニクリン)が、タバコのニコチンによって生じる嬉しさを引き起こす作用を弱めているのです。誘惑は多いですが、タバコを吸わないように心がけましょう。

Q17.禁煙治療中に太ってきてしまったのですが大丈夫でしょうか?

はい、(医学的)大丈夫です。

もちろん、禁煙治療中でも太らないことが望ましいです。ただ、患者さんの多くが、禁煙外来中に体重の増加をきたします。タバコを吸わなくなることによって、口さみしくなったり、食欲が増加したり、味覚が改善したりすることによります。健康的になった証拠とも考えられますが、禁煙外来終了後には適正体重を目指しましょう。

第一版 2021年07月01日

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