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心不全について

はじめに

 心不全は、とても怖い病気ですが、どんな病気か知っている人はほとんどいないようです。それもそのはず、心不全は、心臓の専門医にとっても説明が難しい病気です。心不全とは、心臓の持つ病気が原因で、息切れや疲れが出るために、元気で充実した生活を送ることが難しくなり、早くに亡くなってしまう病気です。ただ、年齢と共に衰える心臓の筋肉(心筋)により、誰しも、ゆっくりと心不全が進行します。もちろん、心筋が衰える速度は人それぞれのため、生涯に渡って心不全をきたさない人もいます。
 一般的に、一度、心不全にかかってしまうと完治することはありません。心不全の人は、心不全でない人と比べて、身体機能の衰えが速く、息切れや疲れのために、元気で過ごすことが難しくなります。そして、心不全によって息切れや疲れが強くなると、さらに身体機能は衰えるという悪循環に陥ってしまいます。そのため、心不全の発症をいかに予防し、心不全の進行をいかに抑えるか、がとても大切になります。
 ツノクリでは、皆さんが、元気で充実した生活を送るために、心不全にならないこと、そして、心不全になったとしても、心不全と上手に付き合うことが大切だと思っています。心不全にならないためには、望ましい生活習慣を送ること、そして生活習慣病を上手に管理することが大切です。一方、もし心不全になってしまったら、複数のお薬を上手に組み合わせて、心不全の進行を遅らせ、入院をきたさないことが大切です。もちろん、お薬を飲まずに心不全治療ができれば、それに越したことはありませんが、放っておけば間違いなく進行する心不全を抑えるためには、複数のお薬を一生涯、飲む必要があります。ツノクリでは、心不全の治療をすることは、すなわち、元気さと命を守ることだと思っています。ツノクリでは、皆さんの心不全の発症を予防し、心不全の進行を抑えるために、できる限りお手伝いします。

 目 次

Q1.心不全とはどのような病気ですか?
Q2.心不全になるとどうなりますか?
Q3.慢性心不全はどのように分類されますか?
Q4.左室収縮能とは何ですか?
Q5.左室収縮能と身体活動は強く関係しますか?
Q6.血液検査で心不全はわかりますか?
Q7.胸部レントゲン検査で心不全はわかりますか?
Q8.心臓超音波(心エコー)検査で何が分かりますか?
Q9.心不全になるとどのような症状が出ますか?
Q10.心不全にならないために気を付けることはありますか?
Q11.心不全は治りますか?
Q12.心不全にはどのような治療がありますか?
Q13.運動耐容能とは何ですか?

Q1.心不全とはどのような病気ですか?

 心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、早くに亡くなってしまう病気です。
 従来、心不全は病名でなく病態とされてきました。病態とは特定の病気によって引き起こされる患者さんの状態のことです。心不全患者さんの多くは、原因となる病気(原疾患)をわずらっています。心臓(心臓の筋肉(心筋)や弁膜症)はもちろん、高血圧や内分泌疾患なども原疾患となります。そのため、心不全診療に置いて大切なことは、心不全を改善させるだけでなく、原疾患も診断および治療をしなくてはなりません。しかしながら、さまざまな検査でも原因(原疾患)が特定できない場合もあることから、心不全を病名とするようになりました。

Q2. 心不全になるとどうなりますか?

 心臓が悪いために元気がなくなり、入退院を繰り返す病気です。
 心不全患者さんの多くは、健康な人より早く元気に活動できなくなり、心不全による入退院を繰り返します。そして、入退院を繰り返すたびに、徐々に心臓の調子も悪くなり、最終的には健康な人より早くに亡くなってしまいます。

心不全の進行

急性 ・ 慢性心不全診療ガイドライン2017より

 誰しも、歳を重ねるにつれて臓器の能力は低下するため、元気に活動できる程度(身体機能)は低下していきます。なかでも、心臓に関わる機能が低下すると心不全(→Q1)と呼ばれる状態になります。心臓は、全身の臓器(特に骨格筋)に血液を送り出すポンプの役割を担っています。そのため、心不全になると、体を動かす際に十分な血液(酸素)を全身に送り出せなくなるため、息が切れ、疲れやすくなり、元気に活動することが難しくなってきます。さらに、症状が進行すれば、入院して治療しなければならない場合もあります。
 このように、心臓のポンプ機能が低下することは、私たちが元気で活動することの妨げになります。ツノクリでは、心不全にならないようにすることはもとより、心不全になっても、できるだけ身体活動を維持しながら入院を防ぎ、元気で充実した生活を自宅で送る時間れることを目標にしています。

Q3.慢性心不全はどのように分類されますか?

 心不全は、心臓のポンプ機能(左室収縮能(→Q4))に基づいて3つ(もしくは4つ)に分類されます。
 心臓のポンプ機能(左室収縮能)の程度により、次のように分類されます。

  •  左室収縮能の低下した心不全 左室収縮能 < 40%
  •  左室収縮能の維持された心不全 左室収縮能 ≧ 50%
  •  左室収縮能が軽度に低下した心不全 40% ≦ 左室収縮能 < 50%

 このように心不全を3つ(もしくは4つ)に分類する理由は、同じ心不全でも治療方法が異なるためです。心臓の専門医だけでなく、かかりつけの医師にも心不全治療を行えるように、このような分類があります。以前は、心臓のポンプ機能(左室収縮能)が低下していない心不全の患者さんに、どのような治療を行えば良いか、全く分かっていませんでした。

Q4.心臓のポンプ機能(左室収縮能)とは何ですか?

 左室収縮能は、いわゆる心臓のポンプ機能のことです。
 ヒトの心臓は、上下左右の4つの部屋で構成され、2つの心房と2つの心室(右心房、右心室、左心房、左心室)があります。心房は、心臓に戻ってきた血液を、一旦、ためておく部屋、そして、心室は、溜まった血液を心房から受け取り、心臓から送り出す部屋です。
 血液は、上下左右の4つの部屋を順々にめぐっていきます。全身から心臓に戻ってきた血液は、①右心房から②右心室に入り、肺に送り出されます。血液は、肺で二酸化炭素と酸素を交換し、③左心房から④左心室に入り、再び全身に送り出されます。全身に血液を送り出す部屋である④左心室は、ポンプの収縮する力(収縮力)が特に強く、心臓を構成する4つの部屋の中で最も重要な部屋です。この左心室の収縮力は、一般的に、心臓の機能=左室収縮能(→Q4)=左室駆出率(EF)を指しているとされています。左室駆出率を最も簡便に測定する検査法に心臓超音波(心エコー)検査(→Q8)があります。左室駆出率は、左室に血液が充満して最も大きくなった時の左室の容量を1として、血液を駆出して最も小さくなった時の左室の容量を差し引いて、その割合(%)で表します。左室内に充満した全ての血液が、一度に送り出されれば100%になりますが、通常はそのようなことはありません。一般的に、正常値は55-70%とされています。
ツノクリは、2022年春に超音波診断装置「Versana Balance(ベルサナ バランス)」を導入し、より正確に左室駆出率を測定することができるようになりました。自分の心臓のポンプ機能である左室駆出率を知りたい方は、診察の際に、医師にお声をおかけ下さい。

Q5.左室収縮能と身体活動の能力とは強く関係しますか?

 いいえ、身体活動は、左室収縮能でなく運動耐容能(→Q13)に関係します。
 左室駆出率と身体機能の間には、必ずしも強い相関関係(左室収縮能が高(低)ければ身体機能が高(低)い)はありません。例えば、左室駆出率に差のない健康な中学生男子10人に1kmのランニングをしてもらいます。10人が同じタイムで同じ疲れ方にはなりません。では、彼らの1kmのランニングのタイムと疲れ方の違いはどこから来るのでしょうか。それには、それぞれの男子の左室駆出率ではなく、運動耐容能(→Q13)が関係しています。そのため、心臓病によって左室駆出率が低下していても、毎日、元気で充実した活動を送っている患者さんもいます。左室収縮能(左室駆出率)の低下は、必ずしも身体活動の低下を意味するわけではありません。

Q6.血液検査で心不全はわかりますか?

 BNP(もしくはNT-proBNP)が良い指標になりますが、心不全の程度を反映しない場合もあります。
 BNP(NT-proBNP)は、主に、心臓の筋肉(心筋)が伸びる(伸展する)ことによって分泌されるペプチド(アミノ酸が結合したもの)ホルモンです。BNPは尿量を増加させ、全身を循環している血液量を一定に保とうとする(減少させる)作用を持つ利尿ホルモンですが、健康な人ではほとんど分泌されていません。しかし、何らかの理由で心筋が伸展する(心臓の負荷が増える)と、BNP(NT-proBNP)が血液中に大量に分泌されます。
 心臓の負荷が増えることを心不全とするならば、血液中のBNP(NT-proBNP)濃度は、心不全の程度を示す指標であるとも考えられます。血液中のBNP濃度と心不全の関係の目安を、下に示します。NT-proBNP値は、BNP値のおおよそ4倍です。

  •  正常値(18.4pg/mL)以下では心不全の可能性は極めて低いです。
  • 18.4~80pg/mLの場合は、積極的な治療が必要な心不全の可能性は低いです。
  • 80~200pg/mlの場合は、治療が必要な心不全の可能性があります。心臓超音波(心エコー)検査(→Q8)などで心臓の(ポンプ)機能を確認するることをお勧めします。
  • 200pg/mL以上の場合は、治療が必要な心不全である可能性が高いです。心臓超音波(心エコー)検査などで心臓の(ポンプ)機能を確認し、治療を受けることをお勧めします。

 ツノクリでは、血液検査でBNP(NT-proBNP)濃度も測定でき、心臓超音波(心エコー)検査で左室駆出率を測定することもできます。心不全は、それぞれの患者さんが持つ病気や症状と、複数の検査結果を総合的に判断した上で、治療方針を決定する必要があります。ツノクリでは、心不全診療に自信を持っていますが、もちろん、より専門的な診療や入院治療が必要な場合には、速やかに連携医療機関を紹介します。

BNPもしくはNT-proBNPの値と心不全の目安

日本心不全学会より

Q7.胸部レントゲン検査で心不全はわかりますか?

 はい、参考になります。
 胸部レントゲン検査で心不全の程度を評価する際に大切なのは、心胸郭比、胸水貯留および肺うっ血です。ただし、心不全の程度を反映していない場合もあります。

心胸郭比

 胸部レントゲン上で心臓の幅を胸郭の幅の割合で計測して「%」で表します。一般的に、50%未満が正常とされ、心不全になると大きくなります。胸部レントゲン上での心胸郭比50%以上は、「心肥大」として知られていますが、医学的には「心拡大」が正しいでしょう。

胸 水

 何らかの理由で、胸腔内に液体が溜まった状態です。心不全では、心臓から送り出せない血液が、肺の中(胸腔内)にあふれ出ることがあります。液体のため胸腔内の底(下の方)に溜まります。一般的に、胸部レントゲンを横から(側面像)撮影すると、最も低い背中側に貯留する場合が多いです。

肺うっ血

 血管や気管(空気の通り道)は、肺の中央部(肺門部)から肺の中に扇状に広がっています。心不全では、心臓から送り出せない血液が、血管の中に貯留、緊満して血管が太くなります。胸部レントゲン上で、肺門部を中心に太くなった血液が観察されると、肺うっ血と呼ばれます。

 胸部レントゲンの所見から、心不全の状態を的確に判断することは、とても難しく、経験が必要です。一方、定期的な胸部レントゲン検査は、心胸郭比、胸水および肺うっ血を経時的に確認することができるため、心不全の状態を把握するうえでとても役立ちます。健康診断で、毎回、胸部レントゲン検査を行う理由の一つが、この経時的変化を観察するためです。ツノクリでも、元気な皆さんにも、少なくとも1年に1度(50歳を越えたら半年に1度)は胸部レントゲン検査をすることをお勧めしています。

Q8.心臓超音波(心エコー)検査で何が分かりますか?

 

 心臓の構造と動き、そして血液の流れが分かります。
 心臓は2心房2心室と呼ばれる4つの部屋から構成されています。これら4つの部屋の大きさは、心臓の病気を知るうえで大切な情報を提供してくれます。例えば、左心房が大きい時には、左心房の出口にある逆流防止弁の調子が悪い場合(僧帽弁閉鎖不全症)や、心房細動などの不整脈が関与している場合があります。そして、左心室が大きい時には、左心室の出口の逆流防止弁の調子が悪い場合(大動脈弁閉鎖不全症)や、さまざまな原因で心臓のポンプ機能である左室収縮能(→Q4)が低下する病気(過去の心筋梗塞や拡張型心筋症など)が関与している場合があります。もちろん、最も重要な指標の一つである左室駆出率も心臓超音波検査で測定するのが一般的です。
 心臓超音波検査は、横になって、胸にゼリーと超音波検査装置(エコー)を当てて行います。簡便かつ安全にでき、得られる情報が多いため、心臓の検査の中でも広く実施されている検査の一つです。ただし、握りこぶしほどしかない心臓の構造と動き、そして血液の流れを見る検査ですので、検査には高度の技術と経験が必要です。そのため、複雑な病気が疑われたり、心臓の手術の必要性を判断したりする場合には、より高度な超音波検査装置のある連携病院での検査をお勧めすることもあります。2022年9月現在、心臓超音波検査の費用は、1割負担で880円、3割負担で2640円です。

Q9.心不全になるとどのような症状が出ますか?

 一般的には、動いた時(労作時)の息切れ、苦しくて横になれない(起座呼吸)、夜間の呼吸困難などがあります。
 心不全が心臓の病気であることから、ひだり胸が痛くなったり苦しくなったりすると誤解する人がいますが、実際は、息が苦しく(呼吸困難)なります。特に、動いた時(労作時)には、より多くの酸素を必要とするため、息切れはひどくなります。日常生活では、階段を昇る時に最もつらくなり、高齢者などでは、心不全に気が付かずに階段を昇るのが嫌になり、1階で生活したりします。年齢のせいでも階段を昇るのが辛くなりますが、数日間の単位で階段を昇ることが難しくなるのであれば、心不全の可能性があります。
 心不全にはさまざまな分類(→Q3)があるように、症状も多岐にわたります。疲れやすい、食欲がない、お腹が張った気がする、足がむくむなどは心不全の症状かも知れません。いずれも、心臓と関連がなさそうな症状のため、心不全と判断できない場合も少なくありません。

Q10.心不全にならないために気を付けることはありますか?

 食事や運動などの生活習慣の改善と生活習慣病の適正な管理により、心不全の発症の予防や進行の抑制が期待できます。
 生活習慣で大切なことは、塩分を控えることと習慣的に運動(→Q13)をすること、そして禁煙することです。特に、周りを海に囲まれた私たちは、欧米の人たちと比べ、塩分摂取量が多いことが知られています。塩、醤油、味噌などの調味料は控えめにして、麺類や汁物を摂取する場合にはできるだけ汁を残すことを心がけましょう。
 一方、高血圧症、肥満、糖尿病は、心不全の発症と進行に強く関連していることが分かっています。特に、心不全と診断された際には、高血圧症をしっかり管理しましょう

Q11.心不全は治りますか?

 いいえ、一度、心不全と診断されると、元通りにはなりません。
 心不全は、年齢と共に心臓の筋肉(心筋)が衰え、どんな人でもゆっくりと進行してきます。もちろん、一生、心不全の症状がみられない人もいますが、その場合は、他の臓器の衰えが、心筋の衰えより早いだけです。そのため、心不全治療のゴールは、できるだけ心不全の進行を遅らせて、元気で充実した生活を送る期間を、できる限り伸ばすことです。心不全になってしまうことは残念ですが、他の臓器と比べ、心筋が衰えるのが早かったにすぎません。もちろん、心筋の衰えと共に心不全は進行してきますが、なるべく入院しないように適切な治療をうけながら、心不全と上手にお付き合いすることが大切 です。

 ツノクリでは、お薬を調節しながら、なるべく入院しないように、そして、元気で充実した生活を続けられるようにお手伝いします。

Q12.心不全にはどのような治療がありますか?

 お薬だけでなく手術などで治療をする方法があります。
 お薬による心不全治療では、主に4種類の薬を使用します。

ACE阻害薬もしくはARB

 降圧薬として知られていますが、心筋と腎臓の衰えを遅らせることにより心不全の発症と進展を予防します。

β遮断薬

 降圧薬として知られていますが、心拍数を減少させ、心筋の衰えを遅らせることにより、心臓のポンプ機能を長持ちさせます。

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬

 心臓の衰えを加速するホルモンの効果を弱め、心不全の発症と進展を予防します。

利尿薬

 尿量を増加させることにより全身をめぐる血液量を減らします。血液量の減少は、心臓の負担を軽減して、心不全患者さんの症状を改善し、心不全発症を予防します。

 最近では、心不全の発症と進展を予防する新しいお薬が、複数発売されています。なかでもサクビトリルバルサルタン(エンレスト)はとても有望な心不全治療薬です。ほかにも、一部の血糖降下薬などが心不全治療に有用であることが分かっています。
 心不全では、患者さんの病気や症状に合わせて、複数のお薬を調節しながら治療する必要があります。そして、治療がうまくいかなければ入院したり亡くなったりすることもあります。そのため、適切な心不全治療には、慎重さと十分な経験が必要です。ツノクリは、心不全治療に自信がありますが、外来でのお薬の調整が難しい場合や、心不全の改善が見られない場合には、連携病院への入院を提案することもあります。入院しないことは大切ですが、むやみに外来治療を引き延ばして、満足のいかない自宅での生活を長引かせないことも大切です。
 手術などによる治療には、植え込み型除細動器や心臓再同期療法、不整脈や虚血性心疾患に対するカテーテル治療、外科的治療などがあります。いずれも、医学的には良い治療法であることが分かっていますが、その適応については慎重な検討が必要です。もちろん、患者さんとご家族にしっかりと説明をして、皆が納得したうえで治療をすることが大切です。ツノクリでは、皆さんが、心臓の手術の提案を受けた際には、可能な限り中立的な立場から手術を受けるべきかどうかの相談に乗ります。ただ、最後に決めるのは、やはり自分(患者さん)であることを忘れてはいけません。

Q13.運動耐容能とは何ですか?

 心不全の患者さんの身体活動能力を規定する大切な要素です。
 心不全になると、身体活動をする際に、全身の臓器に十分な血液(酸素)を送ることができなくなり、呼吸が苦しくなったり疲れやすくなったりして、元気に活動しにくくなってしまいます。その、元気に活動できる指標が運動耐容能です。身体活動能力の低下は、生活の満足度の低下と寿命の短縮を引き起こします。そのため、元気に生活するには、いかに運動耐容能を維持・向上させるかがとても大切になります。運動耐容能を規定する主たる因子は、骨格筋と心臓と肺を合わせた能力です。心不全になると、心臓の能力が低下するため運動耐容能は低下してしまいます。しかし、運動耐容能を規定する心臓以外の因子、特に骨格筋の能力を改善させることで、運動耐容能を維持・向上させることができます。心不全を持つ患者さんで、安全かつ効率的に骨格筋の能力を改善する運動が「辛くない程度の有酸素運動」です。
 ツノクリでは、さまざまな病気を持つ患者さんが安全かつ効率的に運動する方法として、散歩(速く歩くこと)を勧めています。散歩は、怪我が少なく、お金がかからず、準備を必要とせず、飽きずに続けられる理想的な運動です。散歩での「辛くない程度の有酸素運動」の目安は、隣の人と息切れをせずに会話を続けられる程度の速さで歩くことです。これらをより効率的に行うには、少なくとも、1回40分間以上、週に3回以上散歩する必要があります。体調の悪い日、天気の悪い日などは、むしろ休むことをお勧めしますが、4日以上連続で休むと歩きたくなくなります。天気予報や用事を確認して、4日間連続で休むことを避けるようにしましょう。

第3版 2022年09月18日

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